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公正証書遺言はどんな人に向く?利点と費用面などの負担を確認

遺言の方式のうち、公証人が関与して作成するのが公正証書遺言です。

自分で書く自筆証書遺言と比べて無効になりにくい反面、費用や手間の負担は避けられません。

今回は、公正証書遺言の利点と負担の両面を整理して説明します。

公正証書遺言の利点

公正証書遺言は、公証人が方式を確認しながら作成するため、書面としての安全性が高い方式といえます。

方式の不備を理由に無効となりにくい

民法969条は、証人2人以上の立会いと遺言者による趣旨の口授を要件として定めています。

公証人が内容を文書にまとめ、遺言者と証人が確認したうえで署名するため、形式の誤りで無効になることはほとんどありません。

病気で字を書けない状態であっても、口頭で意思を伝えられれば作成を進められます。

署名ができない事情があるときも、公証人がその事由を付記することで遺言は成立します。

紛失や改ざんの心配がなく検認も不要

作成した原本は公証役場に保管されるため、遺言書を紛失したり書き換えられたりする事態を防げます。

自筆証書遺言と違って家庭裁判所の検認が不要である点も、相続開始後の負担を軽くする要素といえるでしょう。

2025年10月からは公正証書の作成手続きがデジタル化され、ウェブ会議を利用して作成する方法も選べるようになりました。

相続人が遺言の有無を確かめたいときには、公証役場を通じて過去に作成された公正証書遺言を検索する仕組みも利用できます。

公正証書遺言の負担

利便性の高い方式である一方、作成までに費用と時間がかかります。

財産額に応じた手数料が必要になる

公証人手数料は、財産を受け取る相続人や受遺者ごとに価額に応じて計算し、合計した額を負担します。

たとえば、長男と次男へそれぞれ財産を残すのであれば、2人分の財産を合算した分の手数料が必要です。

遺言の目的の価額が1億円以下の場合には、この基本の手数料に1万3000円が加算されます。

なお、2025年10月1日の公証人手数料令の改正で加算額が引き上げられており、古い情報をもとにした見積もりでは金額が合いません。

証人2人の手配と書類の準備に時間がかかる

証人は2人以上を確保する必要があり、推定相続人や受遺者とその配偶者、直系血族は証人になれません。

適任者が見つからないときは公証役場へ紹介を依頼できますが、その分の費用が生じます。

戸籍謄本や印鑑証明書、不動産の登記事項証明書をそろえ、公証役場との日程調整も必要になるため、作成までに数週間を見込んでおくとよいでしょう。

文案の作成を専門家へ依頼する場合には、公証人手数料とは別に報酬が発生します。

まとめ

公正証書遺言は、方式の不備や紛失の不安を避けたい場合に適した方式です。

一方で手数料や証人の手配という負担があり、財産の規模と相続人の状況を踏まえて選ぶことが大切になります。

公正証書遺言の文案の検討や必要書類の準備でお悩みの方は、石川司法書士事務所までお気軽にご相談ください。