遺産分割協議で何を決める?協議書に書くべき項目と進め方
遺言が残されていない場合、遺産をどのように分けるかは相続人どうしの話し合いで決めることになります。
この話し合いが遺産分割協議であり、合意した内容は遺産分割協議書という書面に残しておかなければ手続きで使えません。
今回は、遺産分割協議で決める内容と協議書への記載事項を説明します。
遺産分割協議は相続人全員の合意で成立する
遺産分割協議とは、相続人全員で遺産の分け方を話し合い、合意する手続きです。
民法907条1項も、共同相続人はいつでも協議で遺産を分割できると定めており、話し合いの場所や方法に決まりはありません。
もっとも、相続人が1人でも欠けた協議は無効となるため、戸籍を取り寄せて相続人の範囲を先に確定させる作業が欠かせません。
あわせて不動産や預貯金といった遺産の内容を調べ、対象を明らかにしてから話し合いに入れば、やり直しを避けられます。
協議書の作成で押さえる4つのポイント
協議書は、合意した内容を証明し、相続登記や預貯金の解約に使うための書面です。
記載が足りないと手続きで受け付けられないおそれがあるため、次の4点は押さえておきましょう。
- 被相続人の氏名と死亡日、最後の住所を記載する
- どの財産をだれが取得するのかを財産ごとに特定する
- 後日に判明した財産をどのように扱うのかを定めておく
- 協議が成立した日付を入れ、相続人全員が署名して押印する
財産は登記事項証明書や通帳の表示にそろえて特定する
不動産は、所在や地番、家屋番号を登記事項証明書の表示どおりに書き写す必要があります。
預貯金も金融機関名と支店名、口座番号まで書き込んでおけば、解約の手続きで迷わずに済むでしょう。
相続人全員が署名し実印で押印する
協議書には相続人全員が署名し、実印で押印したうえで印鑑証明書を添えるのが実務の通例です。
相続登記の申請でも、協議書の押印について印鑑証明書の添付が求められます。
相続人が遠方に住む場合は、同じ書面を1人ずつ順番に回して署名と押印を集める方法も取られています。
協議を先延ばしにしない理由
遺産分割協議そのものに期限は定められていませんが、放置したままでは不利益を受けかねません。
民法904条の3により、相続開始から10年を過ぎた後の分割では、期間内に家庭裁判所へ請求していた場合を除き、特別受益や寄与分を踏まえた具体的相続分を主張できなくなります。
生前の援助や介護の貢献を主張したい相続人にとっては、10年が実質的な期限といえるでしょう。
相続登記も2024年4月1日から義務化され、取得を知った日から3年以内に申請しなければ、10万円以下の過料の対象になります。
まとめ
遺産分割協議は相続人全員の合意で成立し、その内容を協議書へ正確に残すことが相続登記や預貯金の解約を進める前提となります。
財産の特定や押印に不備があると、書き直しを求められて手続きが長引くおそれもあります。
遺産分割協議書の作成や相続登記の手続きでお悩みの方は、石川司法書士事務所までお気軽にご相談ください。